ヒプノセラピーとは
ヒプノセラピーとは、「催眠」と呼ばれる変性意識状態を利用して潜在意識に働きかけ、心因性の問題の低減、解消を図るセラピーです。
ヒプノセラピーには、催眠下で暗示を与えることで悩みの解消や自己改革を行う手法や、幼児・幼少期の記憶を思い起こして原因を探る「年齢退行療法」などがあります。また、スピリチュアリズムの観点からヒプノセラピーを利用する方法として、前世の人生を体験して様々な気づきを得る「前世療法」や、愛する故人との魂のコミュニケーションを行うことで癒しにつながる「悲嘆療法」などがあります。
催眠は1955年に英国医師会(British Medical Association)が有効な治療法として認めています。また、米国医師会(American Medical Association)も1958年に催眠を有効な治療法として認めています。米国心理学会(American Psychological Association)と米国歯科医師会もまた催眠を有効な治療法として認めています。
催眠は一種の変性意識状態です。催眠状態になると心を開き前向きな暗示を受け入れやすくなります。その心の状態を利用して習慣や癖の改善や除去、悩みの解消、性格や自己イメージの改善、能力開発、対人関係の改善、ストレスや痛みのコントロール、自己変革、自己探求などを行うのがヒプノセラピー(催眠療法)です。
催眠は医療や健康分野以外でも、スポーツ、アート、教育訓練、ビジネス、エンターテインメントなどの領域でも広く利用されています。
また、特に悩みや問題はないが人生の目的が見えない方には、前世療法によって過去生のイメージを体験してみることも有効です。前世療法で生と死のイメージを体験することによって死に対する恐怖が消えていったり、その前世と今の人生を比較することで、この人生の目的が分かってくることがあります。
幼児・幼少期の記憶を思い起こして原因を探る「年齢退行療法」では、新たな記憶を埋め込むなど辛い記憶を処理することで思い込みや嫌な感情・感覚から解放することができます。
大きな可能性をもった催眠ですがまだまだ未開拓の領域です。実際に催眠を使ってその効果を実感したものだけがその潜在的なパワーに気づいているのです。ヒプノセラピーで癒された方がその効力を体験し「今度は自分がヒプノを学び、人を癒したい・・・」との思いでヒプノセラピストになられた方や、これから目指す方もたくさんいらっしゃいます。
ヒプノセラピーの効果
以下はヒプノセラピーによって、よい効果が期待されるものの例です。
○ 対人関係の改善
対人恐怖、親子関係、職場での人間関係、手足の震え、どもり
○ 習慣や癖の除去・改善
喫煙、食に関する問題、あがり性、過度の緊張、よい習慣の獲得
○ 性格・自己イメージの改善
自己イメージの改善、積極性の獲得、自己の開発と発見
○ 能力の開発
潜在能力、スポーツ能力、集中力、学習能力、やる気の向上、交渉能力、新しい発想、コミュニケーション能力、イメージトレーニング
○ 自己コントロール
ストレスの軽減と対処、痛みのコントロール
○ 自己探求
人生の目的、人生の方向性、抱える問題の意味を探る
(※ヒプノセラピーは医師が行う治療の代わりとなるものではありません。医師の治療を必要とする身体的・精神的な疾病をお持ちの場合は病院で医師の治療をお受けください。)
さまざまなヒプノセラピーの療法
ヒプノセラピーには様々な療法があり、クライアントの抱える悩みや問題によって最適な方法を選択してセッションを行います。以下は、代表的なヒプノセラピーの療法で、状況によっていくつかの療法を組み合わせてセッションをする場合もあります。
■ 前世療法...前世の人生を体験して様々な気づきを得る
催眠状態で前世に戻るように誘導することによって今の自分とは違う前世の人生を体験していきます。 そしてそこで、前世の人生の重要な場面や死の場面を体験し、その人生がどんな課題を持っていたのか、その人生が今の人生にどういう影響を与えているのかなどを探っていきます。多くの人がそこから様々な深い気づきを得て、様々な心理療法やこれまでの催眠療法のやり方ではどうにもならなかった症状が完全に回復した、大きく改善したというケースも数多く報告されています。 また、いくつかの前世での最期の場面を追体験することで、死に対する恐れが消え、人生に対する新しい理解が生まれることもあります。
■ 年齢退行療法...幼児・幼少期の記憶を思い起こして原因を探る
自分では何ともないと思っているにも拘らず、なぜか苦しくなってしまったり、心と身体が分離してしまったようになってどうしてよいのかわからなくなってしまうような場合があります。これは幼児・幼少期に植え込まれた思い込みや嫌な感情・感覚が潜在意識に残っており、それが何かのきっかけで顕在意識に上ってきたものと考えられます。そのために、潜在意識に残っている問題となっている幼児・幼少期の記憶を思い起こし、再体験するプロセスを通して、原因を探り、不要な思い込みや感情・感覚を解放していく方法が年齢退行療法です。理由の分からない不安や恐怖に駆られている、不定期にぶり返してくる嫌な感情がある、無意識の内にやるべきでないことをやってしまう、などの様々な悩み・問題に対処できる優れた方法です。
■ トラウマ・セラピー...辛い感情や感覚を解放
催眠状態で、心の中に残っている辛い感情や感覚(トラウマ)を解放するには退行療法以外にもいくつかの方法があります。
分身療法(パーツセラピー・副人格療法など)・・・問題を引き起こしている分身と問題を解決しようとする分身、それを調停する分身などを登場させて調和を図る方法です。
インナーファミリー療法・・・幼い自分を苦しめている家族の更正、更迭、再教育、理想の家族を呼び寄せる等によって内なる自分(幼少・幼児期の自分)を癒していくプロセスです。
擬人化療法・・・問題のある身体部位や病気本体や感情や感覚を人とみなして語りかけ、なぜその問題を持っているのかを探っていきます。
悲嘆療法・・・愛する人を亡くした喪失感から立ち直れないような場合に用いる方法です。催眠下で故人との魂のコミュニケーションを行うことで癒しにつながるお手伝いをします。
■ GIFT...恐れや不安、強迫行動などに対処
GIFT(ゴール・イメージ・フォーカシング・テクニック)は様々な恐れや不安、強迫行動などに対処する安全で確実な方法です。GIFTの方法論では、最終的な理想の自分を思い描き(ゴールの姿)、催眠下で潜在意識にその理想の姿を植え込みます。今現在の自分と理想の自分を一体化し、望む自分の状態に至るまでの各段階での目標達成をシミュレーションします。最後に、最終的な理想の状態を五感でフルにイメージして、達成感や満足感、誇り、自尊心などの感情・感覚を味わい尽くします。GIFTは、不安や恐れを持って生きている方、自己変革をしたい方、自己実現を目指す方、何かの目標を達成したい方、心身の問題解消を求める方など数多くのクライエントさんに用いることのできる応用範囲の広いセラピーです。